注目レース情報

第49回金杯(M2)

水沢競馬場 ダ 1600メートル2024/12/30(月) 12R 17:00発走

注目レース情報 桐花賞

レースについて

○歴史

 金杯の創設は1975年。1999年までアラブ2歳(当時は3歳、または明け4歳)重賞で実施され、サラブレッドの南部駒賞と並ぶ岩手競馬の2歳看板重賞だった。

 2000年(1999年度)はサラブレッド2歳(明け3歳)重賞で実施(一度のみ)され、2001年から3歳(明け4歳)重賞へ移行。2005年から再び2歳(明け3歳)重賞で固定された。2013年~2015年を除き、正月1月2日に実施され、正月2日=金杯が定番となったが、一昨年は1月3日に実施。さらに昨年、桐花賞の前日12月30日に移行。金杯の年内実施は1993年12月26日、第20回金杯(当時は3歳:現表記2歳)以来、30年ぶりとなった。今年も12月30日(月)に行われる。

昨年優勝馬 リトルカリッジ

コースの特徴

○ダート1600m

コーナーのポケットからのスタート。緩く右にカーブしながら4コーナーに入る形態から「内枠有利・外枠不利」と言われてきたが近年は外枠の健闘も目立つ。フルゲートの際の8枠にあたる11番や12番からの勝馬も決して少なくないし、内枠と外の7枠・8枠での決着、あるいは外枠同士での決着も珍しくはない。もちろん、3着以内までに入る成績でみれば内枠ほど良い傾向に変わりはなく、特に内枠の逃げ・先行馬は軽視できない。しかし例え多頭数でも外枠を敬遠しすぎる必要はない・・・というのが近年の傾向と言える。

水沢競馬場コース図

データ分析

○若駒賞→南部駒賞→寒菊賞が王道だったが、今年は寒菊賞が取り止め

2023年12月30日
1着 リトルカリッジ 太夫黒特別①←プリンセスC⑫
2着 セイバイラック 寒菊賞②←太夫黒特別③
3着 サクラトップキッド 寒菊賞④←南部駒賞⑤
2023年1月3日
1着 ミニアチュール 2歳B1①←門別OP②
2着 セイレジーナ 寒菊賞①←太夫黒特別②
3着 ケープライト 太夫黒特別①←ジュニアGP⑩
2021年(2022年は休止)
1着 リュウノシンゲン 寒菊賞①←南部駒賞③
2着 グランフォロミー 寒菊賞②←知床賞⑤
3着 マツリダジョオー 寒菊賞⑤←フューチャー①
2020年
1着 シンボ 寒菊賞②←南部駒賞⑦
2着 ナーリー 寒菊賞③←南部駒賞⑩
3着 ウォールフラワー 2歳A③←寒菊賞⑧
2018年(2019年は休止)
1着 チャイヤプーン 寒菊賞①←知床賞③
2着 スターギア 2歳A①←寒菊賞②
3着 リュウノムーン 寒菊賞⑤←OP②
2017年
1着 オールザベスト 寒菊賞②←OP①
2着 サンエイリシャール 寒菊賞③←南部駒賞⑤
3着 ニードアフレンド 2歳A①←2歳B1⑦
2016年
1着 サンエイホープ 寒菊賞③←OP①
2着 サプライズハッピー 寒菊賞④←プリンセスC①
3着 イチダイ 寒菊賞①←OP②
2015年
1着 スペクトル 寒菊賞①←OP①
2着 トーホクライデン 2歳A③←寒菊賞③
3着 トーホクフェアリー 2歳A②←寒菊賞②
2014年
1着 ラブバレット 寒菊賞①←南部駒賞②
2着 ライズライン 南部駒賞①←若駒賞①
3着 アオチャン 2歳A⑤←寒菊賞②
2013年
1着 ブリリアントロビン プリンセスC①←2歳B1①
2着 ロックハンドパワー 寒菊賞①←南部駒賞⑤
3着 ラブソング 2歳B1③←サッポロクラシック⑧

 岩手2歳のダート重賞はビギナーズカップ、昨年新設されたネクストスター盛岡、南部駒賞、牝馬交流・プリンセスカップ、寒菊賞、そして金杯の6レース。また今年は若鮎賞、交流・ジュニアグランプリもダートを舞台に行われた。

 過去10回のローテーションを見ると寒菊賞のレース名がずらりと並んでいる。一昨年は北海道2勝から転入ミニアチュールが優勝したが、寒菊賞出走組から7頭が優勝している。しかし今年は降雪のため取り止め。金杯トライアルがなくなったことでデータ比較は難しくなったが、ひとまず南部駒賞出走組が若干有利かもしれない。

○1番人気6勝、2番人気3勝

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 6回 2回 2回 60% 80% 100%
2番人気 3回 4回 1回 30% 70% 80%
3番人気 0回 4回 1回 0% 40% 50%
4番人気 0回 0回 2回 0% 0% 20%
5番人気 0回 0回 3回 0% 0% 30%
6人気以下 1回 0回 1回

 1番人気は6勝2着2回3着2回。1番人気が馬券対象から外れたのは2012年だったから、今年はデータ外。昨年、1番人気に支持されたサクラトップキッドは3着。よって過去10年は1番人気はすべて馬券対象を果たしている。続く2番人気は3勝2着4回3着1回。馬券対象から外れたのは2度のみ。昨年は6番人気リトルカリッジが優勝したが、それでも1番人気、2番人気の信頼度は高い。

○牡馬7勝、牝馬3勝だが…2年連続で牝馬が優勝

1着 2着 3着
牡馬 7回 6回 3回
牝馬 3回 4回 7回

 金杯のデータどおり岩手の2歳戦線は牡馬が圧倒的に優位。1、2着は牡馬がほぼ独占していたが、一昨年の金杯は1着ミニアチュール、2着セイレジーナ、3着ケープライトと牝馬が上位3着を独占。昨年も1着リトルカリッジ、2着セイバイラックと牝馬がワンツー・フィニッシュを決めた。

 昨年、一昨年の結果を受けると今後のデータは変動しそうな予感を抱かせるが、過去10年で牝馬の3着7回。一昨年は2番人気ケープライトが3着だったが、それ以前は人気薄が目立っている。2021年のマツリダジョオー(4番人気)からさかのぼり、ウォールフラワー(8番人気)、ニードアフレンド(6番人気)、トーホクフェアリー(3番人気)、アオチャン(4番人気)とほぼ人気薄が3着に突っ込んでいる。馬券妙味は3着候補に人気薄の牝馬を加えるのが得策か。

○岩手デビュー馬5勝、北海道デビュー馬5勝

1着 2着 3着
岩手デビュー 5回 7回 5回
北海道デビュー 5回 3回 4回
JRAデビュー 0回 0回 1回

 おそらく岩手競馬ダートでこのようなデータはまずないだろう。先行タイプの優勝馬は一昨年のノーブルサターン1頭のみ。ダートでこれは非常に稀なケース。昨年のノーブルサターンは差し競馬で1着だった。それに対し、逃げ切りが4回。これは想定内だが、追い込み1勝2着2回は非常に珍しい。水沢は1周1200m平坦の小回り。重賞でこの戦法が決まるのは驚きだ。考えらるのは展開。先行ペースになれば逃げ切りが決まり、ハイペースになれば追い込みが決まるいうこと。もう一つは冬期間の水沢は馬場凍結対策として融雪剤が撒かれ、オールウェザーのような粘土質の砂になる。海外でもそうだが、オールウェザーの馬場は芝馬有利になるケースが多く、追い込みも決まる。結論は“展開を重視。芝馬もチェック”。

有力馬紹介

マツリダマスラオ

牡2歳 父・ニシケンモノノフ

菅原勲きゅう舎・水沢

 デビュー2戦目を完勝して一戦置いてダート変更の若鮎賞2着。これで波に乗るかと思ったが、“馬っ気”を出し始めてビギナーズカップ7着、ネクストスター盛岡4着に凡走。前途に暗雲が立ち込めたが、若駒賞を快勝。イン強襲を決めて待望の重賞タイトルを獲得した。続く交流・南部駒賞は北海道勢に上位を独占されたが、岩手最先着4着を確保した。馬体重の増加とともに精神面でも成長確か。重賞2勝目に王手をかけた。

レイヴオン

牡2歳 父・モーニン

伊藤和忍きゅう舎・水沢

 門別1000m・2歳新馬戦を快勝。重賞挑戦も経験して2着2回から転入。当然のように初戦で1番人気に支持されたが、1コーナーをうまく回れなかったのが致命傷。4着と不本意な結果に終わったが、伊藤和忍調教師「馬具を着用して矯正」。水沢コースも2度目でエンジン全開。激戦区・北海道で鍛えた実力でアッサリのシーンまで十分。

ミヤギヴォイジャー

牡2歳 父・ルーラーシップ

菅原勲きゅう舎・水沢

 デビュー戦は850mが短くタイム差なし2着に敗れたが、2戦目を完勝。以降は好、凡走の繰り返しだったが、盛岡が合わなかった印象。2着1回が最高に対して水沢は4戦3勝2着1回。前走も見事な逃げ切りを決めた。しかも舞台は前回と同じ水沢1600m。コース適性を前面に初タイトル獲得を目指す。

ラヴェイ

牡2歳 父・エイシンフラッシュ

小西重征きゅう舎・盛岡

 レイヴオンと同じく門別1000m・新馬戦を快勝し、JRA札幌・クロバー賞(芝1500m)8着から岩手入り。初戦を2着にまとめたが、以降は凡走。伸びを欠いたが、前回快勝でようやく吹っ切れた。弾みついてもう一丁いけるか。

キングオブワールド

牡2歳 父・トゥザワールド

板垣吉則きゅう舎・水沢

 詰めに課題を抱えて初勝利まで8戦を要したが、以降は堅実さを発揮して1勝2着3回3着5回。現在、7戦連続で馬券対象を果たしている。当初、寒菊賞から始動予定だったが、降雪により開催取り止め。仕切り直しの一戦となったが、ここでも上位確保の可能性は高い。

ブルードプリュス

牝2歳 父・シルバーステート

板垣吉則きゅう舎・水沢

 セレクションセールで高額落札された期待馬で大井1200m・新馬戦でタイム差なし2着。直後に岩手へトレードされて4戦2勝3着1回。気性難を抱えているが、素質の高さは相当レベル。プリンセスカップ9着は相手は一気に強化されて9着も仕方なし。地元同士の戦いに戻って反撃必至。

マルケイロジャー

牡2歳 父・ロジャーバローズ

石川栄きゅう舎・水沢

 デビューから一度も着外に沈んだことがなく3勝2着1回3着3回。相手なりに駆ける堅実さを身上とするタイプ。重賞初挑戦・若駒賞でも3着を確保した。相手強化でもマークが欠かせない。

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